Release: 2019/08/07 Update: 2019/08/07

【自由研究】安里川の源流から潮汐の影響がある場所まで歩いてみた。

こんにちは。モソです。

近所のサメ好き中学生と親御さんからの依頼で、安里川のガイドを実施しました。

彼は安里川のサメについて調べたいとのことですが、「まずは安里川ってどんなところ?」ということを知るために、源流からサメが見られるエリア近くまで歩いて、環境の変化などを観察することにしました。

【安里川源流】

那覇市首里赤田町と、南風原町新川の境目にあります。南風原クリーンセンター近くに安里川源流を示す標識があります。

まるで那覇ではないような佇まい。

【安里川上流部】

民家と小さな森の間に、小さな橋がありました。

心臓破りの坂を上り、環状二号に出ます。

【沖縄自動車道那覇IC付近】

源流から上流付近は盆地になっており、南風原町の新川という地名が「新しく川が生まれる場所」という意味なのかもしれないと感じました。新川地区にはカー(井戸)もたくさんあるようです。

上の写真では、沖縄自動車道那覇インターチェンジの手前にある森の下から、白いバンが駐車している裏手に安里川が流れているようです。

自動車道インター入り口の橋の下を流れ、沖縄そば屋「チラーグヮー」と環状二号の間を下ります。

水量が徐々に増えてきます。

環状二号から金城ダムの間は、沖縄県立芸術大学と農業試験場の間を流れているようです。入るには許可が必要そうだったので、今回はパスし、金城ダム通りへ。

【金城ダム】

金城ダム通りの植栽にはランが着生しており、これもまた見ものです。秋以降に花が咲くようで、花が咲いている時期にまた訪れてみたいですね。

金城ダムの上部。金城ダムはひょうたんのような形をしています。

縊れている部分に、文化財の橋があるためです。

【ヒジ川橋】

金城ダム中央にあるヒジ川橋。 17世紀半ばに作られたとされ、文化財となっています。これを保護するために、金城ダムはひょうたん型になっているのです。

金城ダム下部。ちなみに、上下ともに釣り禁止です。まさか釣りしてる人いませんよね?ルールを守れない釣り人に、アングラーを名乗る資格はありません。

ちなみに、金城ダムは飲料水や農業用水用ではなく、下流域の浸水被害を防ぐための「治水ダム」です。安里川の支流、真嘉比川にも「真嘉比遊水池」という治水施設があります。

ダム躯体の右奥にある管理施設では、金城ダムの役割などを学ぶことができます。

金城ダムで咲いているサガリバナ。

【金城ダム下流】

繁多川の斜面に位置する森と、金城ダム通り、周辺民家の間を流れます。

【金城橋と石畳】

観光名所としても知られる、金城町の石畳。金城橋(かなぐすくはし)がかかっています。

金城橋の下流側では、地元の人にパンで餌付けされたオオウナギやコイ、オオウナギから逃れようとするテナガエビを目視できました。

松城中学校前の橋。

このような堰が数か所あり、オオウナギやテナガエビ、ユゴイ類はこの堰を超えて上流に入ります。

【寒川前原橋・前原橋】

ファミリーマート寒川店裏、寒川前原橋から

さらに下流、前原橋。沖縄工業高校正門前方面へ続きます。

【沖縄工業高校裏手付近】

マンションと立派なガジュマルの木

沖縄工業高校裏門の橋は「寒川橋」。

沖縄工業高校の実習用地(右)にかかる橋。たしか「匠橋(たくみ橋?)」。モソが高校在学中くらいに完成し、名前は生徒からの募集で決定したと記憶しています。実習で草刈りやった思い出・・・

【松川地区】

松川の住宅で見つけたヒハツモドキ。島胡椒とかピパーチ、ピーヤシなどと呼ばれます。

個人経営の駐車場にかかる橋。おそらく個人所有。今日はこの付近でカワセミの飛翔を確認しました。

松川橋付近で、オオクチユゴイやユゴイ、ティラピア類、オオウナギが観察できました。

【指帰橋】

「さしかえしはし」と読みます。

昔はこの付近まで潮位の影響を受けていて、かつての物流の要である船がこの付近まで入って首里へ送る物資を運び、海へと指し帰ることからこの名前になったとのことです。

指帰橋では安里川本流(右)と、支流の真嘉比川が合流します。

真嘉比川終点

指帰橋下流側

【那覇市大道付近】

公務員宿舎入り口にかかる橋。この付近からボラ類が観察されはじめました。ボラ類やヒラアジ(ギンガメアジ)は、ここより上流の寒川前原橋付近、堰の直下まで遡ることがあります。

えなみ橋上流の小さな茂みで、カワセミをよく見かけます。

渋滞する大道橋。この付近は昼間もかなり混雑します。源流から比べるとかなり市街地にやってきた感じがあります。

【大道練兵橋付近】

錬兵橋付近ではコイやオオクチユゴイが観察できました。

ちなみにコイとユゴイ類は全くの別種で、コイについては国内外来種、または島内外来種とされています(所説あり)。

ユゴイ類は海と川を行き来する在来種で、近年は「ジャングルパーチ」と呼ばれる人気のルアーフィッシング対象魚となっています。方言はミキユーで「三毛魚」を意味するようです。

汚水が流されることがある支流。適切な排水をしてほしいところです。

【ほたる橋】

文字通り、かつてはホタルが見られたのかもしれません。

那覇市におけるホタルの観察スポットは末吉公園が知られていますが、那覇市壺屋付近でも時折確認されます(私も数回見ています)。陸生のクロイワボタルが多いそうです。

蛍橋付近では、鑑賞植物由来のバリスネリア(セキショウモ)の群落が確認できます。こちらも外来種とのこと。

【キブンジャ川】

那覇市三原を流れる、コンクリート三面張りの水路です。時折バンやサギ類(チュウサギ)が見られますが、ヤゴ以外の生き物は見えない印象です。

【安里橋】

安里橋はパチンコ店ピータイム付近にあります。現在、橋の下流側までの用地買収が進んでおり、川幅を広げ管理用道路を設置する工事の準備が進められています。

この付近ではボラの群れやティラピア類、コイ、オオクチユゴイが観察できました。日によっては大型のオオウナギを観察できます。以前はフナ類(オオキンブナとみられる)も生息していました。

【豊橋】

安里駅から国際通り向けの路地に入った場所にある、小さな橋です。

大潮の満潮時は、この付近まで潮汐の影響を受けます。工事現場奥の新しい護岸に、潮汐の変化のあとが見られます。

最近少なくなっていたプレコ(マダラロリカリア:外来種)を確認しました。