Release: 2019/04/19 Update: 2019/04/19

【船酔い】対ゲロリスト作戦。船酔いを防ぐには。

こんにちは。モソです。

釣りを始めるときに「船酔い」で悩む人が多いと思いますが、今回は元船酔いする船長のモソが、船酔い対策「対ゲロリスト作戦」をお届けしようと思います。

ベタ凪でも酔う人には辛い

【船酔いは気持ちで変わる】

私も元々船酔いする人間でしたが、「釣り船をやってみよう」という事で船舶免許を取得(1級特定)し、3年ほどの間遊漁船業に従事していました。

お客さんを乗せるのに船酔いしてはガイドどころではないので、最初は乗り物酔いの薬を飲んでいましたが、いつしか「あれ?あんま酔わないな。薬代勿体無いし、飲まなくてもいいや」という感じになりました。

精神論になってしまいますが、一番大事なのは心構え。

気持ちを強く持つことです。

「酔うかもしれない」と不安に思っていれば酔ってしまいます。

「船代が勿体無い」「毎度酔い止めを飲むのは勿体無い。薬代でメタルジグ買えるやんけ!」などと強気で臨めば、以外と慣れてくるものです。

【食べすぎ、飲みすぎNG】

前日や朝に食べすぎ、飲みすぎはNGです。

飲みすぎは特にダメで、自ら運転する場合はアウトですし、誰かに港まで送ってもらう場合でも、二日酔い状態なら間違いなく酔います。

以前、パヤオ釣りの予定の前日に同僚の結婚式があり、遅くまで飲んで運転代行で港まで移動。そのまま釣りに行ったことがありましたが、ダメでした。

なお、推奨されている食品はアルカリ性が強い味噌汁と言われています。これは船酔いの時に酸性の胃液が多く分泌されるので、アルカリ性食品で中和すると良いと言われます。

あと、沖縄のパヤオ釣りでは、船長が釣ったばかりのマグロを捌いて食べさせてくれる事があります。

釣りたてのマグロはさほど美味くない。

船酔いの不安がある人は口にしないほうが良いです。釣りたてのマグロは生臭く味のないゴムのようで、美味しいものではありません。噛み切れず口の中に残り、ディーゼルの臭いと相まってゲロリストと化します。

船中泊での飯。マチ類は美味しかった。

【空腹もダメ】

船酔いで吐くのが怖いとか、トイレのない船を利用する場合に「お腹が痛くなるから」と食事を抜くのも逆効果です。

出発前は腹八分よりも少なめくらいにして、トイレ(特に大きいほう)はしっかり出しておき、船の上でお腹がすいたら、ちまちま食べると良いでしょう。

船の上での弁当は、夏場は冷やしうどんやざるそばが人気があります。おにぎりは昆布や梅干し(酸っぱいけどアルカリ食品)、具無しの「塩おにぎり」なども良さそうです。

から揚げや肉類など油っこいものは”油酔い”が船酔いに拍車をかけるので、避けたほうが良いです。

(調理師の嫁さんが言うには、油が使われているものは基本的に酸性になりがちなので、心配な人は油が使われていないものから選ぶと良いのでは?とのことです。)

水分補給と少量の塩分補給も忘れずに。

【体調管理は大事】

風邪気味でだるい、お腹の調子が悪いなどの不安要素があるだけで、船の上でしんどくなり、船酔いにつながります。

釣行前までにしっかり体調管理しておきましょう。

遠足のように寝られないかもしれませんが、早めに就寝て十分な睡眠をとっておきます。

気分が悪くなったらすぐ寝れるように睡眠を抜こうなどと考えないことです。睡眠不足も船酔いの原因となります。

【薬は用法容量を守って】

酔い止めは用法、容量を守ってが基本です。

眠気が出てしまうとのことなので、早い時間から飲んでいると、移動の間の車の運転などで眠気が出たり注意散漫になることがあります。

薬の効果というよりも、飲んでいるだけで心の支えになります。

船酔いが不安な人は必須アイテムです。

薬の効能の差があるのかはわかりませんが、ゲロリストだった私の友人はアネロンを好んでいました。

【船体中央(胴の間)に陣取る】

釣果を考えるなら、 漁船タイプなら船の後ろ(トモ)が有利だったり、ルアーキャスティングなら船の前側(ミヨシ)が投げやすいなど諸説ありますが、ゲロリスト予備軍はエンジンがあり船の重心となっている、船体中央がオススメです。

理由は船で最も揺れない場所だからです。

ミヨシは最も揺れる。ベテラン向き。

そして、エンジンの真横より前よりに位置しておきます。船酔いの原因の一つとなり、ディーゼルの臭いを避けることができます。

胴の間のエンジン横付近。

船外機タイプのボートは、船体後部の揺れが小さいです。

【手元を見るな。遠くを見つめろ。】

釣りにおいて釣った魚を取り込んでクーラーボックスに入れたり、血抜きをしたり、切れた仕掛けを結ぶため手元を見ることは避けて通れませんが、安全上許す限り、極力手元を見ないことが重要です。

さお先を見つめ続けるのは、ゲロリストにとって自爆行為です。

手の感覚でアタリをとるようにしましょう。

餌釣りでは、ライン(道糸)に手を触れておく方法でもよいでしょう。

気分が悪くなったら、極力遠くを見つめるようにします。

ちなみに私は船酔いはほぼ克服しましたが、船上で何本も仕掛けを作らなければならない状態では酔います。手元を見るのはかなりダメージが大きいのです。


仕掛け作りなどは出船前までに済ませておくか、 船長などにお願いしましょう。

また、特殊作戦部隊が暗闇で銃を分解結合できるように、暗い場所でも仕掛けが結べるよう訓練しておくと、手元を見ずにラインが結べるようになります。

【自然を体感する】

船酔いして気分が悪いと感じるようになったら、積極的に風に当たりましょう。風に当たることは、乗り物酔いにはかなり効果的なのです。

ただし、ディーゼルの臭いが直撃するような場所はNGです。

最初に「心構え・気持ちが大事」としましたが、波に揺られているのではなく、自分が波に載っているつもりで釣りをすると、かなり楽になります。

船酔いのもとは体のバランスを保つ三半規管から来るものと言われていますので、体を慣らしてしまうのです。

自然を体感しましょう。

【周囲を巻き込まず、無理せず吐く】

気分が悪くなった時は、無理せず吐きます。

最もよくないのはギリギリまで耐えて拡散メガ粒子砲を放ってしまうゲロリストで、いわゆる「もらいゲロ」により次々とゲロリストを生み出してしまいます。

無理せず吐くんやで。
(byおくちチャックマン)

吐く時は早めに「気分が悪い」と船長などに告知し、周りに一言伝えてから吐くようにしましょう。

トイレがある船ならトイレで、ない船は風下・潮下で吐きます。

そして、飛び散った粒子を洗い流すことを忘れずに。

これは周囲の人が「もらいゲロ」 をしないための配慮です。

ゲロリストは伝染します。これ以上のゲロリストを増やさないためにも、エチケット・マナーは大事なのです。

吐いたって、ええんやで。

【寝る】

最終手段は寝ることです。

横になれるスペースがあるなら良いのですが、ない場合は座った姿勢で寝るしかありません。

夏場は横になれる船内よりも、風に当たれる船外の日陰がある場所のほうが心地良い場合もあります。

お金払って寝るのは勿体無いと感じるかもしれませんが、「お金を払わずに釣りをする、最高の贅沢をしている」と思えば良いのです。

【禁断の手法】

数時間後に車で帰宅する人はご法度ですが、出船後、ポイントまでの移動の間に缶ビール一杯程度のアルコールを入れて「少しだけ酔っておく」という方法もありました。

ただしお酒に弱い人や、酒の歯止めが聴かない人、船酔い止めを飲んでいるなど人は絶対にやめてください。また、空腹状態では逆効果となります。

あと、「俺かっこいい!」などと自分に酔うのも、気持ちを強く持つ船酔いしない方法です。気持ちが別のところに向けば、意外と船良いは防げたりするのです。

そんなわけで楽しい沖釣りライフを。