【釣り環境】アカジン・マクブの資源保護に関する漁業調整委員会指示
こんにちは。モソです。
沖縄海区漁業調整委員会より、スジアラ(アカジン)及びシロクラベラ(マクブ)の資源保護に関し、体調制限の指示がなされています。

各市町村漁協の示す海区と、「漁業を営むにあたり」とあるため釣り人(遊漁者)は対象になっていないのですが、釣り人も積極的に協力していきたいものです。

【漁業調整委員会とは?】
漁業法という法律で、各都道府県や市町村ごとに漁業のルールを定めた「漁業調整規則」を定めることとなっています。漁業調整委員会は、漁業調整規則を定める組織です。
たとえば沖縄では、釣り人は「集魚灯を用いない手釣り、竿釣り」「発射装置のないやす(モリ)・は具(熊手やスコップ)」「タモ網、さで網、投網」「素手」のみが遊漁者に認められていて、潜水具を使うことはできません。

なぜ潜水具や発射装置(水中銃)が認められていないかというと、獲物を獲りすぎる可能性があること。そもそも、潜水具を使った漁や水中銃を用いることが、他の釣りや潮干狩りに比べて格段に危険を伴うためです。
最近では漁業権(第一種共同漁業権)で、枯渇している食用ナマコや一部を除くタコが対象となりました。共同漁業権の侵害・・・つまり密漁に対しては漁業法違反で罰金刑となりますが、どの海産物が漁業権の対象となるのかは都道府県や地域ごとに違うので、現地の漁業調整委員会が”資源保護や安全管理のため、漁獲の調整”を行っているというわけです。
なお、規制ばかり行っているような印象も受けますが、以前は一般の遊漁者に禁止されていた撒き餌での釣りを解禁したのも、漁業調整委員会です。以前のまま撒き餌が禁止されていたら、グルクン釣りもフカセ釣りもできなかったでしょう。
【遊漁者(釣り人や潮干狩りを行う人)のメリット】
何と言っても、資源保護という観点が大きいです。
近年は技術が発達し、新たな釣り方や道具が開発されています。
たとえばイカ釣りは以前ならば「当たりエギ」で釣り分けられていましたが、現在はルアー要素を取り入れたエギングが登場し、昼間でも釣れるようになりました。
沖釣りで行われるジギングも、スロージギングなどが登場し、細仕掛けで大物が狙えるようになりました。
10年以上釣りをして、ある程度釣りのテクニックを持っている人なら「昔はもっと釣れたのに」と思う人もいるのではないでしょうか。
クロダイ類など目に見えて増えている魚もいますが、海産物としては減っているものがほとんどです。
今回のアカジン・マクブの体調制限は、資源減少の歯止めにも有効と考えられているわけです。

(ちなみにアカジンは雌雄同一個体で、年齢により性別が変わります)
現在は海区(各漁協)や漁港単位で、アオリイカの産卵床を作ったり、釣ったアオリイカのリリースを促す看板を設置している場所もあります。
釣り人が欲張りすぎると、今後はアオリイカなども漁業権の対象や、委員会指示の対象となる時がくるかもしれません。
今後も釣りを楽しむためにも、我々釣り人も資源保護に積極的に協力する必要があるのだと思います。
詳細は沖縄県水産課のホームページをご覧ください。