Release: 2019/03/29 Update: 2019/03/29

クロホシマンジュウダイという魚

こんにちは。モソです。

不定期企画として、南国釣りコお魚解説をお届けします。

本日はクロホシマンジュウダイについて。

独立したグループに属する魚

クロホシマンジュウダイはその形状、また、鋭い鰭の棘に弱毒があることからアイゴ類の仲間と思われがちですが、「スズキ目クロホシマンジュウダイ科」という独立したグループに分類されている魚です。

観賞魚として人気

クロホシマンジュウダイは学名のスキャットファーガス(Scatophagus) の名称で、観賞魚としても人気があります。

本来は亜熱帯に生息する海水魚で、汽水のかなり塩分が低いところにも入ります。沖縄で釣りのターゲットとして親しまれるゴマフエダイや、西表島以南に住むテッポウウオなどと生息環境が似ており、マングローブ林をイメージした水槽での飼育に適しているようです。

学名は「○○○を食べる者」

可愛らしい和名に対して、学名はカッコいいイメージですが、その意味は「ウ○コを食べる者」とのこと。なんてかわいそう学名・・・

(スキャット=スカト・・・いわゆるスカ○ロと通ずる意味みたいです)

実際にウ○コばかりを食べているわけではなく、ボラなどと同様にデトリタス(有機残渣)やエビなども食べているそうです。

その味は

処理をしっかりすれば美味しいという人と、当たり外れがありゴムのようで美味しくないという人がいます。

生息環境に左右されるかもしれません。

いずれにせよ釣りにおいて食べるなら、血抜きや神経〆は必須ですね。

ちなみに、沖縄方言では「アンダカーサー(おそらく油チョウチョウウオの意味)」と呼ばれているようで、味とも何らかの関係があるかもです。

釣り方

フカセ釣りやカーエー(ゴマアイゴ)などを狙った浮き釣りで釣れることがあります。

ポイントによっては、カーエーより釣れる場所があるようですが、カーエーが「川アイゴ」を示すとおり、川の河口など塩分濃度の低いところとなり、ポイントが重なります。

写真の個体は、釣り餌用のボラ狙いの外道として釣りました。餌は食パンです。

食性からすると練り餌なども有効かなと思います。

ファイトは重々しく、トルクがあります。

ポイント

重複しますが、汽水域に住む魚なので河川内か河口のまわりがポイントとなります。よく見かけるのは水深50cmより深いところですが、驚くほど浅い場所で群れていることもあります。

このような河川にもいる。

都市河川で釣りをしているさいに水面から観察していると、手のひらサイズのクロホシマンジュウダイの群れを見かけることがあります。

沖縄本島であれば、南部の都市河川にも北部の酸性土壌の河川にも生息しています。

ちなみに、河川内に入るゴマアイゴと見分ける方法は、ゴマアイゴの胴体後端には黄斑がありますが、クロホシマンジュウダイには黄斑がありません。クロホシマンジュウダイのほうが背も高く見えます。

飼育用として捕獲する

さほど珍しい魚ではないので、根気強く探せば見つかる魚でもありますが、意外とすばしっこいです。

水深50cm以上の場所で見かけることが多いので、確実に捕獲するならば投網などを活用したほうが良いかもしれません。

もちろん、ものすごく浅く狭い場所で見られることもありますので、タモ網で無理ということではありません。だいぶ前に3cmほどの個体をタモ網で捕まえたことがあります。