Release: 2018/04/24 Update: 2019/04/30

【ハンドメイドルアー】MZ10オリジナル版製作の過程を一挙公開!

こんにちは。しまこみ編集部モソです。

 

クラウドファンディングで3万円以上のご支援の方で、ハンドメイドルアーコースを選ばれた方への返礼品のルアー製作工程をまとめてみました。

 

 

ルアーは右からMZ10、MZ6、RD5です。

 

MZ10は株式会社Boggyより量産型となって発売されます。

 

 

 

RD5は「ラッキーキャッツルアーフィッシングスクール①」で、主人公ミキの兄が作ったハンドメイドルアーとして登場するルアーです。

RD5での釣果(キンポー氏提供)

 

材料はアガチス材。

工作用の板です。アガチスを使う理由は適度な硬さがあり、木目が美しく仕上げに利用できるためです。

どう仕上げに影響するのかは後ほど。

 

板チョコのように折って、3枚一組でエポキシ接着剤で張り合わせます。

3枚中、中央の板は上半分のみで、下が空洞になっています。

(凹の字を上下逆さにした形です。)

 

しっかり接着剤が固まったら削り出しを行います。

接着が甘いと削り出しのときに板同士が剥離するので、クランプを使って圧力をかけて接着します。

 

ブランク(本体)が荒削りされたところ。

カッターで削っています。切れなくなったら刃をすぐに交換します。

 

ステンレススチールのワイヤーを曲げてアイレット(金具)を作ります。

ペンチや細い金属棒(精密ドライバーなど)を駆使して、ラインやフックを取り付ける輪を作りながら、1本のワイヤーから構造線を作ります。

沖縄の魚は力が強いので、貫通ワイヤーの構造線が必須です。

 

 

 

金属エポキシパテを用い、ボディの溝に構造線とウェイトを埋め込みます。

一般的なルアーは2枚張り合わせで、中にワイヤーやウェイトを入れる溝を掘って、モナカ構造で接着しますが、バランス調整が難しいものです。

3枚あわせパテ埋め法だと、ウェイトがたくさん入れられるうえ、左右のバランス調整がたやすいというメリットがあります。

金属パテもウェイトとなり、耐久性向上にもつながります。

軽いルアーを作る場合、木性エポキシパテなどで埋めます。

 

カッターやサンドペーパーでボディを仕上げます。

サンドペーパーは80番→400番→1000番で仕上げました。

手で触ると左右非対称な部分がわかるので、再びカッターを入れてペーパー掛けします。

 

 

セルロースセメントというコーティング材にドブ漬け→乾燥を繰り返します。

ドブ漬けはトータル20回程度行われます。

基本的に頭と尾を交互に行います(コーティングの偏りを防ぐため)

下地としてコーティングを5回行いました。

 

 

下地コーティングが終わったら、背中にペーパーナイフで鱗模様の刻みを入れて、一度黒く塗ります。

塗りはエアブラシを使っています。

 

黒い塗料が乾燥したところでサンドペーパー(400番)をかけると鱗模様が現れます。

ガンプラの「墨入れ」と似ています。

 

ペーパーを当てすぎると模様が消えるので、多少墨が残ったくらいで作業を止めます。

墨が落ちていないところがあっても、ダメージを受けたベイトに見えるので、あまり神経質にならずに。

 

ボディにアルミホイルを張ります。

今回はアルミテープを使いました。

今までは20ミクロンの業務用厚手のアルミホイルを使っていました。

 

アルミテープを貼ったところ。

ハサミの柄の部分や100円ライターのボディなど、プラスチックの丸いところでこすると、綺麗に貼れます。

 

ペーパーナイフで鱗模様の刻みを入れます。

 

ヤスリや長いボルトなどをアルミホイルに当てて鱗模様を再現する方法もありますが、フラッシング(反射)を重視しているので、アルミを貼ってからペーパーナイフで刻みを入れる手法をとっています。

 

 

ドブ漬けコーティングを頭と尾交互に3回。

 

お腹にシルバーを吹き付けしました。

そして1回コーティング(色止め)。

 

塗装後のコーティングはゆっくり引き抜いて、できるだけコーティングが滴り落ちないようにします。

コーティングが滴り落ちると色流れが起きます。

色止め用のクリアラッカーなどを吹き付ける方法もありますが、1色づつ塗ってコーティング(慎重に引き抜く)でも同様な効果が得られます。

 

背中とアルミの一部を残して、マスキングテープで養生。

 

クリアブルーを吹き付けます。

上はクリアブルー吹き付け前。下が吹き付け後。

 

マスキングテープを剥がして再度コーティング。魚っぽくなってきましたね。

アガチス材の木目が生々しい魚の模様を再現しています。

ミジュン(ミズン)は英名を「ブルーストライプヘリング」というので、青いラインが入るようにマスキング&塗装します。

【釣り】沖縄の小魚「ミジュン」の生態が解明される!

 

エラの部分に赤を吹いてコーティング(色止めの役割)

 

アルミテープに顔をけがいて切り出し…

 

切り出したアルミテープをボディと同じ要領で貼り付けします。

 

 

ペーパーナイフで顔の模様を刻みます。

 

 

最終コーティングはすべて頭を下に行います。

途中、脳天にブルーや赤を。

また、エラの上部に黄色や黒のスポットを吹きました。

 

出来上がったボディ。これで塗装とコーティングは完了です。

コーティングが終わったボディに、皮用ポンチで目玉を入れる穴を開けます。

 

位置決めのため軽めに。

 

その後グリグリと穴を開けます。

 

ちょっと目が小さいですね。

このあと、8mmから10mmに変更しました。再度10mmのポンチで目玉が入る穴を開けました。

 

 

目玉はエポキシ接着剤(30分硬化)で片面づつ接着。接着剤は硬化時間が長いほど強く粘りがあります。

瞬間接着剤は白濁しやすいので注意が必要です。

 

これで完成しました!!

フックはターゲットや用途で違ってくるので、スイムテストしながらあわせていきます。

 

この角度から見たのが好みです。

透明度の高い沖縄の海では、背中の模様が海面に反射するので、背中のリアリティーは重要だと考えています。

 

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