Release: 2019/11/05 Update: 2020/01/29

【罰則あり】知らなかったでは済まないかも。沖縄の釣りや海遊びに関する法律やルール

こんにちは。モソです。

先日、沖縄県議会において「沖縄県希少野生動植物保護条例案」が可決しました。このニュースに関連し、本日は、沖縄における釣りに関する法律や条例を紹介します。

【漁業法及び漁業調整規則】

文字通り漁業に関するルールを定める法律です。

漁業法が漁業のルールの大枠を定め、各都道府県の海域(海区)にあわせて、漁業調整規則を定めています。

釣り人に関わるものとしては、「使って良い道具(使ってはいけない道具)」「獲ってはいけない獲物」を定めています。5年ごとにルールが見直されます。

漁業法はかなり古い法律とのことですが、2018年12月に約70ぶりの改正が行われ、漁業権侵害(獲ってはいけない獲物を密漁することなど)では、これまで罰金20万円だったものが、 罰金 100万円にひきあげられています。

また、昨今のニュースでは、ウナギの稚魚密漁について暴力団等の資金源になっているとのことで、罰金3000万円への引き上げが検討されているとのことです。

使ってはいけない道具(沖縄県漁業調整規則第40条)の罰則については、「 第53条 第9条第1項(第41条第9項において準用する場合を含む。)、第11条第1項若しくは第2項 又は第40条の規定に違反した者は、科料に処する。 」とあります。

科料とは1万円に満たない罰金(厳密には罰金ではないが)のことで、最も軽い刑にあたるそうですが、刑に変わりはなく前科がついてしまうとのこと。

参考:沖縄県水産課

【文化財保護法】

この法律には「天然記念物」に関する定めがあります。

有名どころでは国指定特別天然記念物のヤンバルクイナやイリオモテヤマネコなどが有名ですが、実は沖縄の海岸に生息するオカヤドカリ類(アーマン)が、国指定天然記念物に該当しています。

オカヤドカリ類は以前からペットとして飼育されていた経緯があるため、一部業者には捕獲許可が与えられていますが、業者が辞めたり死亡したりすると、今後は捕獲できなくなるとのこと(養殖したオカヤドカリ類が流通)。

オカヤドカリ類は釣り餌に有効という話もありますが、通用したのは本土復帰以前の話。現在は違法行為となってしまいます。

参考:琉球大学博物館・風樹館データベース

【 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)】

2005年に制定。特定外来生物に指定された動植物を「移動」「販売」「飼育」「野に放つ」「輸入」すると、個人で懲役3年以下または罰金300万円以下、法人(企業など)で1億円以下の罰金が科せられます。

釣りに関してはオオクチバス(ブラックバス)やコクチバス、ブルーギル、ガー全種(アリゲーターガーなど)が該当します。

なお、釣ったその場で放流する「キャッチ&リリース」は、野に放つには該当せず、外来生物法においては違法行為となりませんが、各都道府県条例で定めがある場合があります。

【キャッチ&リリース禁止条例】

沖縄県には本条例はありませんが、秋田県や滋賀県などで制定されている条例です。外来生物法で規制されていないバスフィッシングにおける 「キャッチ&リリース」について規制する都道府県条例となっています。

また、漁業調整規則でキャッチ&リリースを規制している都道府県もあります。

沖縄から遠征する場合、各都道府県の条例を確認する必要があります。

参考:キャッチ&リリース禁止条例(日釣振)

【希少野生動植物保護条例】

鹿児島県において既に制定されている条例で、魚類に関してはリュウキュウアユやタメトモハゼが規制の対象になっています。

なお、条例では下記のように定められていますので、釣りが捕獲(及び損傷)に該当するものと考えられます。

(捕獲等の禁止)
第11条 指定希少野生動植物の生きている個体は,捕獲,採取,殺傷又は損傷(以下「捕獲等」という。)をしてはならない。ただし,次に掲げる場合は,この限りでない。
(1) 次条第1項の許可を受けてその許可に係る捕獲等をする場合
(2) 人の生命又は身体の保護その他の規則で定めるやむを得ない事由がある場合
2 前項の規定に違反して捕獲等をされた指定希少野生動植物の個体(その加工品であって規則で定めるものを含む。)は,所持し,譲り渡し,又は譲り受けてはならない。

http://www.pref.kagoshima.jp/ad04/kurashi-kankyo/kankyo/yasei/zyorei/honbun.html

鹿児島県で条例の対象になっているタメトモハゼはルアーフィッシング対象魚として知られていますが、沖縄県においては2019年現在は特に問題はありません。

しかしながら、2019年10月の沖縄県議会において「沖縄県希少野生動植物保護条例」が可決。これから対象となる生物が絞り込まれ、2020年11月より施行される、とのことです。

なお、対象となる生物(魚種)については絶滅危惧種等を記載したレッドリストをもとに抽出するようで、鹿児島県で条例の対象となっているタメトモハゼ(及びゴシキタメトモハゼ)やホシマダラハゼなどのハゼ類、リュウキュウドロクイ、ウラウチフエダイ、テッポウウオ、オオメジロザメなどが検討の対象となっているようです。

対象となる生物については、一般県民に向けたパブリックコメント(意見募集)が行われるとのことです。

【遊漁船業の適正化に関する法律】

釣り船の運用について定めている法律です。

船を持っている人が客からお金をもらって釣りをさせたい場合、遊漁船業務主任者を置いて県に登録、営業許可を得る必要があります。

1988年に海上自衛隊の潜水艦「なだしお」と釣り船「第一富士丸」が衝突した事故を契機に制定されました。

遊漁船業務主任者(要研修)の設置や、1人あたり3000万円以上の保険をかけること、県に登録することなどの定めがあります。

遊漁船業を開業するさいに
県から配布される書面

遊漁船業とは、釣り客を案内することにより収益を得る行為(ガイド)をさしますが、どこまでが収益性がないかという解釈については、「燃料代を割り勘する程度」とのこと(遊漁船業の講習会での話)

なお、管理人モソも元遊漁船業者で、 遊漁船業務主任者の経験があります。

モソの遊漁船時代の愛艇
遊漁船ナンバーがある。

【外国人漁業の規制に関する法律】

日本国籍を有しない外国人が、日本の海域で漁業を行うことを規制する法律です。大量に海産物を獲る方法が規制されており、軽微なものは含まれていません。

実はこの法律では、外国人が撒き餌を用いて釣りをすることを禁じています。

たとえば、沖縄において観光産業にもつながっているグルクン釣りのコマセや、パヤオでのチャミング、実は違法行為となってしまいます。

遊漁船業を開業するさいに
県から配布される書面

トローリングも×っぽいですね・・・

遊漁船業の許可を受けるさいに県担当課より同法についての指導がありますが、「外国人観光客を誘致したい」という意図もあるためか、やんわり言われた程度。この法律を守っている遊漁船自体が少ないのではないでしょうか。

船に関するルールでは船長の責任が重要ですが、検挙された場合どうなってしまうのか・・・(懲役3年以下または罰金3000万円以下、らしいです)

【中毒魚を他人に勧める(民事裁判)】

WEBにて「釣ったフグに毒があることを知らず、中毒を起こし九死に一生を得た」という話題が上がっておりました。まさかフグに毒があることを知らない人がいるなんて・・・と思ってしまうかもしれませんが、すべての人が理解しているわけでもありません。

とりわけ、沖縄県においては亜熱帯・熱帯地域で見られる食中毒が多く、たとえばパリトキシンを有するソウシハギや、シガテラ中毒を持つ魚が多く生息しています。

シガテラ中毒を有しやすいバラハタ
(写真:ぼびぃ)

シガテラ中毒魚に関しては「色が悪いものは当たる」「この海域の個体は当たらない」など諸説言われておりますが、沖縄県の調査ではそれぞれの言い伝えと毒性について否定的な見解を示しており、注意喚起を行っています。

https://www.pref.okinawa.jp/site/hoken/eiken/kagaku/siguatera.html

ちなみにシガテラ中毒は死亡例はほぼないものの、シガトキシン等はかなり強力な毒で、下痢や感覚異常(ドライアイスセンセーションなど)に苦しめられます。

私も一度当たりましたが、インフルエンザのきついやつという感じで、特に全身に現れたドライアイスセンセーションは地獄でした。体調がよくなるまで1か月ほどかかりました。シガテラ中毒には治療方法がありません。

なお、シガテラ中毒が発生した鮮魚店に対して、食品衛生法に基づく営業停止(飲食店、食料品店においては致命的な措置)が行われることがありますが、その他の人については罰則が適用されることは稀なようです。

とはいえ、食品衛生法の罰則対象者でなくとも、民事裁判で争われる可能性はあります。県外ではイシガキダイによる食中毒が発生した料亭が、民事裁判により約4千万円の損場外賠償命令がなされたケースもあります。

シガテラ中毒魚でも釣った魚は食べるべき、という謎理論を強く押す釣り人が一定程度いますが、人に押し付けてしまうと民事で痛い目に合うかもしれません。

シガテラ中毒魚でも食べるべきだという方は、他人に押し付けずに、自己消費するのが無難でしょうし、シガテラ中毒経験者の釣りコ管理人としては食べることを推奨しません。