Release: 2019/07/16 Update: 2019/07/19

リバーGTのライブベイトフィッシング。都市河川ロウニンアジの考察と課題

こんにちは。モソです。

ついに都市河川に入る大型ロウニンアジ、通称「リバーGT」を釣ることができました。

以前はロウニンアジのGTサイズを何度かかけているものの、リーフでのタマン(ハマフエフキ)狙いのシイラタックルに食らいつき、殆どラインを出されたり、ナブラ撃ちでヒットして止められずラインブレイクしたり、PE2号程度では歯が立たず・・・。

私のロウニンアジは2kg台止まりでした。

リバーGTを狙い始めたのはこの3年ほど。GTロッドにPE5号のタックル、ハンドメイドルアーをぶら下げて、水面とにらめっこの日が続きました。

ハンドメイドルアーでのコンタクトは、一歩手前で方向を変えたり、ミスキャストで逃げられたりとどうも効率が悪い。

現在執筆中の「ラッキーキャッツルアーフィッシングスクール」で、最終回にリバーGTの話を描きたいので、「最終回を迎えるまでには、GTを釣っておきたい」という想いがありました。そこで餌釣りで挑戦することとなりました。

【大好きな安里川で釣りたい】

私がルアーフィッシングを始めた1998年ごろから、今までお世話になっているのが、都市河川の安里川。私の地元を流れる川でもあります

当時からサメを釣ったりして、WEBやメディアを通じて情報発信をしてきましたが、水質の浄化とともに、ロウニンアジも大型の個体がたびたび見られるようになりました。以前からロウニンアジが川に入ることは釣り人の間で知られていますので、私が見ていなかっただけかもしれませんが。河口では時々GTを見かけました。

また、近年は清流の魚と言われたオオクチユゴイや、汽水域ではクロダイ類が増えています。清流の青い鳥、カワセミもかなりの頻度で見かけます。

オオクチユゴイ
クロダイ類

以前はティラピアやボラのイメージが強かったのですが、水質の改善により、生き物の組成が変わっている印象を受けます。

【食べているものを知る】

以前は「ガーラ(沖縄方言でヒラアジ類)はボラが好物」と言われ続けてきましたが、実際は様々な生き物を食べています。

私の経験(以前、胃袋のベイト調査を行っていました)と考察では、ニシン目の魚がよく捕食されているという結論に至っています。

たとえば、同じヒラアジ類でもオニヒラアジは夏場はシラス(ミズスルル)、冬場はミズンという小魚を偏食していることがわかりました。

シラスパターン、ミジュンパターンなどは当時の調査をもとに、地元の雑誌へ投稿・連載をしたことが始まりです。

シラス(ミズスルル)

また、オニヒラアジがバキューム系であることに対し、ロウニンアジが噛みつき重視であることもわかりました。ロウニンアジからシラスが検出されることは稀で、同じナブラで釣ったロウニンアジとオニヒラアジの胃袋内を確認すると、ロウニンアジから出たミズンはボロボロ、オニヒラアジから出たミズンは綺麗で丸のみしていることがわかります。

ロウニンアジから検出されたミズン(中)
オニヒラアジから検出されたミズン(下)

ロウニンアジの若魚(40cm程度)は、河川内でニシン目のドロクイ類をよく捕食していました。リュウキュウドロクイは体長30cm近くに達するため、もしかすると都市河川に寄るロウニンアジにとってはごちそうなのではないかと私は考えています。

河川で見られるドロクイ類

河川内のロウニンアジがミナミクロダイを追う姿や、40cm以上あるボラの群れを襲う姿を確認しています。

クロダイ類がいつも群れているポイントに一切クロダイ類が見られないようなときは、ロウニンアジが入っているという考察が成り立ちます。

【餌の確保=でかいほうが良い】

また、実釣においては1kgに達しそうな大型のティラピアにアタックが多く、小さなボラには見向きもしませんでした。

餌のティラピア。
喰ったが吐き出された。

ボラは沖縄で一般的に言われるほど喰われていないと私は考えています。先の胃袋調査からの考察や、「人が食べても旨いものは、魚が食べても旨い」と考えているためです。

一方でティラピアは汚いところでも育つイメージが強いですが、淡白で美味しい魚なのです。

ボラは独特の泥臭さがありますが、サイズが40cmを超える群れならばチャンスがあります。結局のところ、一回でどれだけ効率よくカロリーを接種できるかにあるかもしれません。

目標サイズの餌が確保できるかどうかという問題もあります。釣具店でも特大サイズのティラピアはなかなか売っていないので、普段からティラピアをどこで確保するか調査しておく必要があります。

ちなみに、サメ釣りでは小さな餌のほうがよりヒットする確率が高くなります。これはサメが食いちぎって餌を食べるためで、一口サイズにすれば口の中にフックを運ばれる可能性が高くなるのではないかと思います。

参考までに、ティラピア類は対塩性が強く、海でも生きられるので、海側でロウニンアジを狙う時の餌にも重宝するのではないかと思います。現時点では要注意外来生物に指定されていますが、特定外来生物ではないため、移動が可能です(今後の改正に注意は必要です)。

【ルアーへの応用を考察する】

近年はジョイントのルアーなどでリアクションで食わす方法で釣果を上げているアングラーもいます。

餌釣りではかなり大きなティラピアによく喰ってくるので、ルアーは、より大きいもの(ボリュームがあるもの)が有効であると感じました。

リバーGT用に作った自作ルアーRD15
これでも全然小さいと思った。

基本的に魚体を見つけてのサイトフィッシングとなるため、オフショアGTのように投げ倒すために重量を気にする必要もありません。投げられる範囲で最大のものという感じです。

また、大きなルアーは動かす水の量が多いので、リーダーから発する余計な振動(波動)を消す効果もあるのではないかと思います。

一見するとオモチャのようにも見えるカラフルで面白い形のオフショア用のルアーと違い、都市河川でGTを狙っているアングラーはベイトフィッシュを意識したルアーで釣果を上げています。

これは船で狙うオフショアのGTが、根に縄張りを持っていていろいろなものを食べているのか、ベイトフィッシュを追って川に侵入しているか、性格の違いがあるとも言われています。

昔はオフショアGT用のルアーでも食うチャンスはあったようですが、アングラーが増えた現在のショアGTはなかなか厳しい時代となっているようです。全くチャンスがないわけではないですが、ベイトフィッシュを追っている個体群なので、ベイトフィッシュを意識する釣りが一般的になっている、ということのようです。

というわけで現在、大型のジョイントハンドメイドルアーを製作中です。30cmのジョイントルアー・・・

【使用タックル】

都市河川は浅く狭く、障害物が多いので「走らせて捕る」のはかなりリスキーだと思います。経験豊かな上手い釣り人ならば釣れるのかもしれませんが、私は確実に釣りあげてリリースしたほうがいいと考えているので、使えるタックルで最大限強いものを使いました。

基本的にオフショアのGTロッドですが、リールとラインは二回りほど小さいもの。オフショアではPE8号が標準的と言われますが、これは船のサポート(船が引っ張るだけではなく、船がGTに引っ張られる)もあるので、強い糸を使用できるわけです。

年季の入ったリールですが・・・

陸っぱりでPE8号のオフショアタックルを使うと、体ごと持っていかれる危険性があるので、オフショアと同じで良いとは言い難い、と言われています。

特に立ち込みで浮力の影響を受けている場合は、かなりの危険が伴います。

ちなみに私の釣りの師匠は、若いころにリーフのGTにチャレンジし、見事ヒットさせたそうですが、あまりの力に身の危険を感じ、自らラインを切ったそうです。

私はPE5号を巻いていますが、陸っぱりGTルアーフィッシングでは、4号を使う方が多いようです。

ちなみに、餌釣りを含むロウニンアジ釣りの経験者の話によると、「海の個体に比べると川に入るGTは走らない」とのこと。とはいえ、それでも恐ろしいパワーの持ち主なので、安全上問題ない範囲で強いものを使うのが良いと思います。

ルアーフィッシングでは ショックリーダーが太すぎると見切られることが多いとのことで、80~90ポンドくらいが使われているようです。ライブベイトの釣りでは130ポンドでも、ためらいなく喰ってきます。

これは活き餌を使い、護岸から垂らし釣りているのでリーダーが見えにくい(リーダーが発する波動なども干渉しにくい)という効果があるためかもしれません。

餌釣りに関しては、より確実に釣るために「ピトン」「板バネ」などが使われることがありますが、構造物の設置は基本的に許可が必要で、もちろん、許可が下りるとも考えにくいです。特に様々な人が通行等で利用する都市河川においては、こうしたツールの設置は問題になりかねないため、使用しないでください。(堤防等においても”侵害物件”として管理者の間で問題になっているそうです・・・。)

【フックについて】

沖縄においては、ガーラ(大型ロウニンアジ用)の専用フックや、泳がせ釣り用のフックが販売されているので、それらを使いました。

結束方法が問題で、130ポンドのナイロンリーダーをどう結べばいいのかという課題にあたりました。

昨年の夏にも20kgクラスのバイトがありましたが、フックがすっぽ抜けで立ち直れない状態でした。

今回は「中村式カン付き南方延縄結び」で結束しました。

http://www.seaguar.ne.jp/knot/harris/harris_7.html

カエシは釣りの直前にペンチで潰しました。これはリリースが速くできることと、間違って人にかかった時に、怪我が大きくならずに済むというメリットがあるためです。

【情報収集とポイント選び】

何と言っても情報が大事な釣りです。むやみに狙っても釣果を得ることは難しいです。

一番良いのは自ら調査することで、曳き波や魚体そのものを探すほか、いつも居るはずのクロダイ類がいないティラピアが浅瀬に逃げて固まっている、大きなボラがせわしなく群れているなどの兆候を探します。

河川内のクロダイ類

ちなみに、同じエリアで見られるクロホシマンジュウダイはロウニンアジが居てもあまり逃げず、むしろロウニンアジのあとを追って群れを成すことがあります。クロホシマンジュウダイのヒレには弱い毒があります。

また、フィールドで出会う釣り仲間から情報を得られる場合もありますが、情報は交換するものなので、自ら足を運ぶことは大事なのです。

WEBでも拾える情報は多くあり、たとえばツイッターなどで情報につながる画像や動画が上がることがあります。私は水面に映る建物や、護岸や柵などの構造物、植生などからアタリをつけて現地を偵察しています。

昨年ライブベイトでGTに食わせたときは、ツイッターに上がっている動画が情報の決め手になりました。映っている護岸ブロックの構造で「あそこだな!」とアタリを付けたわけです。

なお、ツイッターなどのメッセンジャーで、殆ど繋がりのない方から「どこで釣れますか?」「ポイントはどこですか?」など質問をする人がいますが、苦労して集めた情報を無料で教えろというのはちょっと・・・。

そういったメッセージには応答しないという釣り人は多く、私も対応しないこととしています。これはコミュニケーションでも何でもありません。

(今回の釣果では、安里川の魅力を伝えたいということから、公開しています。その代わり、文末にもありますが釣り人はルールやマナー、安全管理を徹底してください。)

【実釣の準備】

実釣においては仕掛けを自宅で作っておき、自信をもって結束できた状態にしておくとか、どこで仕掛けを入れてどこでヒットさせるか、どこでランディングするかなど計画を立てておきます。

また、どこに逃げたらマズいか、どう対処するかなど、ある程度想定しておきます。(まあ、どうにもならない引きの強さなんですが・・・それでも、想定しておくのは大事です)

橋に向かって突っ込まれる

GT狙いでは一般的な伸縮タイプのたも網では対応できず、柄の短い大型タモしか使えない場合もあります。そのため、足場の低いところでランディングしなくてはなりません。

大型のタモ。
柄が短いので、ランディング場所が限られる。

一方で、都市河川には侵入・転落防止のための柵が設置されている場合も多くあります。

柵は人が侵入しないために設置したものです。 「大物がヒットしたから仕方ない」と柵を乗り越えるのは、決して良いこととはいえません。そうならないためにも、どこでランディングするかを考える下見や計画は重要なのです。

柵を超えないようにランディングへ持ち込む計画を立てる

なお、河川によっては治水や事故防止のほか、「親水」という役割もあるので、条件付きで解放されている場所があります。

【ライフジャケットと安全装備】

柵もあるし気を付けているから大丈夫だろうという人もいるかもしれませんが、釣り人の落水事故や、河川での落水事故はかなり多いです。

私が安里川でGTを釣った1か月ほど前にも、酔っ払いが安里川に入り、そのまま亡くなりました。国場川でも水難死亡事故が起きています。

また、都市河川特有の鉄砲水の危険もあります。都市部は表面がコンクリートとアスファルトで固められているので、水の逃げ道がないのです。上流部で雨が降り、急な増水に見舞われる危険もあります。天気のチェックは重要です。

隣のガーブ川ではボールを拾おうとした小学生や、耐震調査のエンジニアさん達が、鉄砲水に流されて亡くなっています。

ライフジャケットは自らの身を守るツールでもあり、落水者を助けるツールにもなります。必ず着用しましょう。わずらわしい人は腰に巻くタイプの自動膨張式がお勧めです。

また、特に大型魚の釣りでは思わぬ怪我をすることがあるので、絆創膏や消毒薬などが入った携行救急キットを持ちましょう。

なお、ライフジャケットを着ているから安全と思いこまず、滑らない靴を履く、天候不良の時は釣りをしない、立ち入り防止柵を乗り越えない、周囲確認を行う必要があります。

【実釣】

GTがポイントに入っている場合、概ね10分以内で喰ってくることが多いです。昨年掛けたときも投入後5分ほど、今回ランディングした個体は、餌の投入後1分ほどで喰ってきました。

ティラピアにアタックするロウニンアジ

また、入れた瞬間に喰って、体を持っていかれたこともあります(2019年は7月時点で6バイト取っています)。

この時も餌を吐き出されてしまったのですが、ライブベイトの場合は喰ってすぐにフッキングするのではなく、数秒間(2~3ヒロくらい)ラインをフリーに送って飲ませてからフッキングしたほうが良いです。今回GTをフッキングまで持ち込めたのも、ラインを送り込んだからでした。

喰う瞬間はかなり迫力があるのですが、餌自体がまだ口の中に運ばれておらず、ラインにテンションがかかった状態だと、違和感を感じて餌を吐き出してしまうのです。

また、オニヒラアジとの違いでも述べたように、ロウニンアジは噛みつき型の捕食が強いので(大型個体はバキューム力も伴いますが)、ベイトを噛んでダメージを与えて飲む、ということをしているのではないかと思います。

おそらく、ルアーの場合は喰ったらすぐにフッキングという流れになると思います。吐き出したティラピアは腹側から噛んだと思われる傷が残っており、下からひねりこんでアタックすることが多いので、ベリー側のフックのほうが重要性が高いのではないかと考えてます。

ちなみに、吐き出されたティラピアは、口やエラから吐血することがありました。かなり強い力で噛みついていることがわかります。

大きい餌ほど喰ってくる確率が高いですが、飲み込ませるタイミングがやや難しいように感じました。

なお、スピニングリールでラインをフリーにする場合、指に絡まないよう注意してください。大けがをします。

ファイトに関しては、ラインの先を確認しながら、がむしゃらにやるしかありません(笑)

【ランディングとリリースの反省】

船のようにポンプなどの機材がないので、撮影等に時間をかけずにリリースしました。

しかしながら、反省点はランディングからリリース時に多々ありました。地面に置いてしまったり、尻尾を持ってしまったなどです。

大型のロウニンアジは、記事冒頭のように尾を持つと脱臼することがあるそうなので、抱っこする方法が良いとのことです。

河川内に入り撮影する方法が最もダメージは少ないと考えられますが、柵を乗り越えて良いわけではないので、以降は事前準備(マットやバスタオル、水の用意)などで対策が取れたらよいなと思います。

釣りあげてる最中は頭が真っ白になるので、どこまでできるかわからないですが、次回釣ることがあれば、できるだけダメージがないようにリリースする方法を心がけたいと思います。

【後片付け、マナー】

都市河川で釣りをする人が増えていますが、残念ながら釣り具関連のゴミもたびたび見かけています。釣り針の放置など、危険極まりないゴミが放置されている事もあります。

安里川で放置されていた釣り針
もちろん拾って帰りました。

我が物顔で釣りをしている釣り人もいますが、あくまでも「釣りをさせてもらっている」立場でしかありません。ほとんどの場所が正式に釣りが認められているわけではないのです。

立ち入り防止柵についても「(安全上の問題があるため)この先に立ち入るな」というものなので、釣り人の都合でルールを変えて良いわけではありません。

釣り人の振舞い次第では、管理者はいつでも釣り禁止にすることができます。

私は都市河川の魅力を最も知っていて、魅力を伝えられるのは釣り人だと思っていますが、釣り人自身が魅力を伝えるどころか、我が物顔で悪態をつくようでは何の意味もありませんからね・・・釣りのあとのゴミ拾いは、イメージUPの意味でも大事だと思います。

【動画もUPしました】